特集 消化管狭窄に対する内視鏡的バルーン拡張術
7.食道癌術後・化学放射線治療後の狭窄に対するEBD
吉永 繁高
1
,
牧口 茉衣
1
,
阿部 清一郎
1
,
野中 哲
1
,
鈴木 晴久
1
,
小田 一郎
1,2
1国立がん研究センター中央病院内視鏡科
2総合川崎臨港病院内科
キーワード:
食道癌
,
手術後
,
化学放射線治療
,
内視鏡
,
バルーン拡張術
Keyword:
食道癌
,
手術後
,
化学放射線治療
,
内視鏡
,
バルーン拡張術
pp.536-540
発行日 2023年4月20日
Published Date 2023/4/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002599
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食道癌外科的切除後の吻合部狭窄の発生頻度は5~46%と報告されており,多くの患者は複数回の拡張術を要する.術後狭窄は比較的短く,また吻合部周囲に癒着を伴っているためか穿孔することはまれであるが,徐々に加圧しながら,患者が痛みを訴えていないか,狭窄部が急に拡張していないか,など気を付ける.根治的CRT後に瘢痕収縮し良性の食道狭窄を起こす頻度は約10%と報告されている.一般的に瘢痕は強固で狭窄長も長いことが多く,難治性となることが多い.手技自体は基本的に術後の狭窄症例と同様であるが,狭窄が長く,瘢痕が強固であり,また術後狭窄とは異なり食道周囲に癒着がないため,より愛護的に,かつ慎重に拡張していくことが肝要である.
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