特集 消化管内視鏡治療のリスク克服に向けて
巻頭言
田邉 聡
1
1北里大学医学部新世紀医療開発センター
pp.5-6
発行日 2022年12月20日
Published Date 2022/12/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002472
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内視鏡診療の進歩は目覚ましく,診断のみならず治療においても外科手術に匹敵するような高度な治療が行えるようになった.一方,高度で複雑な治療を行うに当たり,医療安全を担保することも求められる.消化管内視鏡治療の歴史は,polypectomyを嚆矢として,内視鏡的粘膜切除術(endoscopic mucosal resection;EMR)が開発され,その後,内視鏡的粘膜下層剝離術(endoscopic submucosal dissection;ESD)が登場し,瞬く間に普及していった.ESDは一括切除が可能であり,従来のEMRでは切除が困難であった大型病変や瘢痕症例も切除ができるメリットがある反面,従来のEMRでは経験しなかった長時間の治療や遅発穿孔などの偶発症をいかに予防するかを議論しながら進歩してきた.
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