連載 「胃炎の京都分類」の使い方
第2回 除菌後に新たに出現する地図状発赤とは
鎌田 智有
1,2
,
勝又 諒
1,2
,
砂金 彩
1,2
,
村尾 高久
1,2
1川崎医科大学健康管理学
2川崎医科大学総合医療センター
キーワード:
除菌後
,
地図状発赤
,
胃癌
Keyword:
除菌後
,
地図状発赤
,
胃癌
pp.947-951
発行日 2022年7月20日
Published Date 2022/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002275
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消化器内視鏡診療や内視鏡検診において胃の内視鏡所見からH. pylori感染の有無や胃癌リスクを診断することは非常に重要である.とくに,今後は除菌例がさらに増加することが予測されるため,その胃粘膜所見の特徴を十分に理解しておく必要がある.除菌後胃粘膜の特徴は,現感染の所見であるびまん性発赤,粘膜腫脹や白濁粘液の消失,これに伴い萎縮や腸上皮化生の進展した胃粘膜における地図状発赤の新たな出現である.地図状発赤は病理組織学的には腸上皮化生を示すため,除菌後に発見される胃癌のリスクであることが指摘されており,地図状発赤を認めた際には同部およびその背景胃粘膜の詳細な内視鏡観察が必要である.
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