特集 内視鏡検査で大腸癌の見落としゼロを目指して
4.見落とし病変と考えられた症例 ―症例から学んだこと(3)病変が小さかったことが見落とし要因となった症例
原田 馨太
1
1岡山大学学術研究院医歯薬学域消化器・肝臓内科学
キーワード:
大腸癌
,
大腸内視鏡検査
,
早期発見
,
post-colonoscopy colorectal cancer (PCCRC)
Keyword:
大腸癌
,
大腸内視鏡検査
,
早期発見
,
post-colonoscopy colorectal cancer (PCCRC)
pp.702-707
発行日 2022年5月20日
Published Date 2022/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002217
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国立がん研究センターの最新がん統計によると,癌の臓器別5年生存率において,大腸癌は全体として70%を超えている.ところが病期別に内訳をみると,5年生存率を押し上げているのは0期やⅠ期が90%を超えているからにほかならない.大腸癌は予後が良いといえ,Ⅳ期では20%を切っており,いかに早期発見が重要であるかを物語っている.今回われわれは,発見の数年前に自施設で大腸内視鏡を施行していたにもかかわらず,腫瘍の存在に気付くことができなかった,「痛恨の」進行大腸癌症例を提示する.2例とも,前回内視鏡時にすでに小さい病変が存在していたと考えられる.このような症例を経験することは決して多くないが,反省点を共有し,見落としの撲滅に努められたい.
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