特集 内視鏡検査で大腸癌の見落としゼロを目指して
4.見落とし病変と考えられた症例 ―症例から学んだこと(2)ポリープの経過観察中に,短期間に浸潤癌に至った早期大腸癌の1例
大津 健聖
1
,
久部 高司
1
1福岡大学筑紫病院消化器内科
キーワード:
大腸ポリープ
,
大腸癌
,
全大腸内視鏡検査
,
経過観察
Keyword:
大腸ポリープ
,
大腸癌
,
全大腸内視鏡検査
,
経過観察
pp.697-701
発行日 2022年5月20日
Published Date 2022/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002216
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
症例は70歳代の女性.200X年に上行結腸癌〔pStage Ⅱ:T4(SS),N0,H0,P0,M0〕に対して右半結腸切除術を施行した.術後1年の全大腸内視鏡検査で横行結腸に腫瘍径5 mm大のⅠs+Ⅱa病変を指摘した.内視鏡的に過形成性ポリープと診断され経過観察となった.病変発見から1年後の検査では指摘されず,2年後の検査では腫瘍は増大しⅡa部が明瞭となり内視鏡的切除を行うこととした.しかし,その後,炎症性腸疾患様のアフタ様大腸炎を併発したため内視鏡的切除術が延期され経過観察となった.4年後の検査では病変は増大しⅠs+Ⅱc様の形態に変化,外科的切除を施行した.他疾患の併存により切除が遅れてSM深部浸潤癌となった1例を経験した.
Copyright © 2022, Nihon Medical Centers, Inc. All rights reserved.