特集 胆石症の診療方針
3.胆囊結石症の治療方針
中井 陽介
1,2
1東京大学医学部附属病院光学医療診療部
2東京大学医学部附属病院消化器内科
キーワード:
胆囊結石症
,
胆囊炎
,
胆囊癌
Keyword:
胆囊結石症
,
胆囊炎
,
胆囊癌
pp.499-506
発行日 2022年4月20日
Published Date 2022/4/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002175
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胆囊結石症は頻度の高い疾患である一方で,その多くが無症候性である.無症候例では経過観察が選択され,有症状例では胆囊摘出術が行われる.しかし有症状例の一部は,その後の経過観察で症状再発がないこともあり,また胆囊摘出後も症状が改善しない,再発する症例もあることから,その適応については慎重に判断する必要がある.急性胆囊炎では重症度に応じて,軽症・中等症では早期の腹腔鏡下胆囊摘出術が第一選択であるが,重症例や高リスク症例では内科的ドレナージを行った後に待機的手術を検討する.内科的治療では経皮的ドレナージが第一選択となるが,内視鏡的ドレナージの報告も増加している.高齢化による全身合併症の増加もあり,患者の状態を十分に評価し,適切な治療選択を行う必要がある.
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