連載 検査値の読み方
上腸間膜静脈‒右卵巣静脈シャントによる肝性脳症
淺岡 良成
1
,
田村 大和
1
,
天野 博仁
1
,
小松田 章悟
1
,
山本 真由
2
,
近藤 浩史
2
,
田中 篤
1
1帝京大学医学部内科学講座
2帝京大学医学部放射線科学講座
キーワード:
肝性脳症
,
門脈大静脈シャント
,
卵巣静脈
Keyword:
肝性脳症
,
門脈大静脈シャント
,
卵巣静脈
pp.1347-1351
発行日 2021年8月20日
Published Date 2021/8/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001945
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肝性脳症は,急性肝不全や肝硬変における肝細胞機能の低下だけでなく,門脈—大循環シャントの影響を受けることも多い.脾腫,汎血球減少を伴う食道静脈瘤や胃静脈瘤を介したシャントを認める症例を経験することが多いが,直腸静脈瘤や卵巣静脈などのまれなシャントでは発見が遅くなることがある.今回,健忘として出現し,精査により上腸間膜静脈—右卵巣静脈シャントが原因と考えられ,IVR (interventional radiology)が著効した肝性脳症の症例を経験したため報告する.
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