特集 できる!縫合・吻合
Ⅲ.部位(術式)別の縫合・吻合法
4.小腸
上腸間膜動・静脈の縫合・吻合
佐藤 好信
1
Yoshinobu SATO
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器・一般外科
pp.192-198
発行日 2009年10月22日
Published Date 2009/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102796
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はじめに
動・静脈の縫合・吻合は分野を問わずすべての外科領域手術において修得すべき基本的手技である.一般外科において血管吻合,特に上腸間膜動静脈の吻合は非常に利用が限られているが,血管外科の基本手技を修得することによって血管を恐がることなく,むしろ肝胆道癌の手術も安全で十分な郭清ができることを理解できると思う.一般外科における血管吻合としては,膵癌における上腸間膜動脈合併切除における再建,門脈合併切除における門脈-上腸間膜静脈(SMV)分枝再建,小腸移植などが考えられる.
腹部内臓の血管吻合の基本手技はあまり変化がないため,本稿では,筆者が経験している肝移植1)や門脈圧亢進症疾患2,3),生体部分膵臓移植4,5),肝胆道疾患における血管吻合の知見から述べる.
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