特集 内視鏡検査で胃癌見落としゼロを目指して
2 .各論(5)Helicobacter pylori 感染状況別の診断困難例 c.早期胃癌内視鏡切除例における同時性多発病変の見落とし症例の検討
吉田 詠里加
1
,
山本 頼正
1
,
長濱 正亞
1
1昭和大学藤が丘病院内科学講座/消化器内科部門
キーワード:
HP陰性胃癌
,
異所性同時性多発胃癌
,
早期胃癌
Keyword:
HP陰性胃癌
,
異所性同時性多発胃癌
,
早期胃癌
pp.1339-1346
発行日 2021年8月20日
Published Date 2021/8/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001944
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近年,健診施行目的やHelicobacter pylori(HP)除菌後の経過観察目的に上部消化管内視鏡検査(GS)を施行される機会が増えている.また,異所性同時性多発癌の症例も散見される.今回当院で治療した早期胃癌のうち見逃し症例であったと判断される症例について検討を行った.異所性同時性多発胃癌においては通常観察のほかにNBI非拡大/拡大観察により病変同定が可能となった症例やスクリーニング検査時に病変が撮影範囲内に含まれていない症例があった.またHP陰性胃癌においては胃蠕動により病変の視認が困難となった症例を認めた.今後ますます健診目的やHP除菌後経過観察目的にGSを施行する機会が増えてくると予測されるが,常に異所性同時性多発胃癌やHP陰性胃癌の存在を視野に入れ検査を行うことが必要と考えられる.
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