特集 胆道感染症の診断・治療
13.DIC合併胆道感染症に対する治療
小倉 健
1
,
奥田 篤
1
,
植野 紗織里
1
,
西岡 伸
1
,
山田 真規
1
,
樋口 和秀
1
1大阪医科薬科大学第二内科
キーワード:
播種性血管内凝固症候群
,
急性胆管炎
,
急性胆囊炎
,
トロンボモジュリン
,
内視鏡的逆行性
,
胆管膵管造影
Keyword:
播種性血管内凝固症候群
,
急性胆管炎
,
急性胆囊炎
,
トロンボモジュリン
,
内視鏡的逆行性
,
胆管膵管造影
pp.1195-1200
発行日 2021年7月20日
Published Date 2021/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001915
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重症胆道感染症は,容易に敗血症をきたし,播種性血管内凝固症候群(DIC)を合併しやすい.治療は,可及的な胆道ドレナージ術が主軸であるが,DIC合併例では全身状態が不良な場合も見られるため,適切な呼吸・循環管理を行いバイタルサインの安定に努めることが優先される.ドレナージは,穿刺系手技である経皮経肝胆囊ドレナージ(PTGBD),経皮経肝胆道ドレナージ(PTCD)あるいは超音波内視鏡下胆道ドレナージ(EUS—BD)は出血のリスクが高いため,内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)による胆道ドレナージ術が第一選択と考えられるが,DICのため,内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)が行えない場合が多く,術後膵炎には細心の注意が必要である.一方,抗DIC治療薬であるrTMは,DIC合併胆道感染症において,DIC離脱率の改善や生存率向上に寄与できる可能性があり,今後のさらなる検証が待たれる.
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