特集 機能性消化管疾患―診療UPDATE
2.機能性下部消化管疾患(1)過敏性腸症候群 b.改訂学会ガイドラインに基づく診断
千葉 俊美
1
1岩手医科大学口腔医学講座関連医学分野
キーワード:
過敏性腸症候群
,
Rome Ⅳ基準
,
Bristol便形状尺度
,
IBSの型分類
Keyword:
過敏性腸症候群
,
Rome Ⅳ基準
,
Bristol便形状尺度
,
IBSの型分類
pp.511-519
発行日 2021年4月20日
Published Date 2021/4/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001759
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過敏性腸症候群(IBS)はRome Ⅳ基準に基づいて,腹痛が,最近3カ月のなかの1週間につき少なくとも1日以上を占め,その腹痛が,① 排便に関連する,② 排便頻度の変化に関連する,③ 便形状(外観)の変化に関連する,の2項目以上の特徴を示すものである.症状は診断時より少なくとも診断の6カ月以上前に出現し,最近の3カ月間は診断基準を満たすことが注釈としてある.また,Bristol便形状尺度を用いて便秘型IBS (IBS-C),下痢型IBS (IBS-D),混合型IBS (IBS-M)および分類不能型IBS (IBS-U)の四つの型に分類している.器質的疾患の除外のためにIBS診断アルゴリズムを用いて警告症状・徴候と危険因子の有無を確認し大腸検査などが必要である.さらに,IBSにおける消化管運動機能検査,内臓知覚検査,MRIによる脳活性化部位などが検討されているが,確実な診断指標にまでには至っていない.
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