特集 機能性消化管疾患―診療UPDATE
2.機能性下部消化管疾患(1)過敏性腸症候群 a.疾患概念,疫学と病態
金澤 素
1
,
福土 審
1
1東北大学大学院医学系研究科心療内科学分野
キーワード:
過敏性腸症候群
,
疫学
,
病態生理
Keyword:
過敏性腸症候群
,
疫学
,
病態生理
pp.503-510
発行日 2021年4月20日
Published Date 2021/4/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001758
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
腹痛とそれに関連した便通異常が慢性もしくは再発性に現れる過敏性腸症候群(IBS)は,国際的にはRome Ⅳ診断基準で診断される.この診断基準は症状診断であるため,注意深く器質的疾患を鑑別する必要がある.IBSはその関連疾患を含めると,4~5人に1人が罹患していると見積もられている.IBS症状はストレスによって増悪しやすい.IBSでは多彩な病態生理が認められ,総じて脳腸相関の病態が中心的な役割を果たしているものと考えられている.IBSの診療に当たっては,器質的疾患を注意深く鑑別したうえで自覚症状に基づいて診断し,適切な治療方針を立案するべきである.
Copyright © 2021, Nihon Medical Centers, Inc. All rights reserved.