特集 便秘・下痢―医師必見のUp-to-Date 2020
便通異常をきたす病態
過敏性腸症候群による便通異常
三代 剛
1
,
川島 耕作
1
,
石村 典久
1
,
石原 俊治
1
1島根大学医学部内科学講座第二(消化器内科)
キーワード:
過敏性腸症候群
,
便通異常
,
Rome Ⅳ基準
,
ブリストル便形状スケール
Keyword:
過敏性腸症候群
,
便通異常
,
Rome Ⅳ基準
,
ブリストル便形状スケール
pp.57-60
発行日 2020年7月1日
Published Date 2020/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika126_57
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Summary
▪過敏性腸症候群は,慢性もしくは再発性の腹痛とそれに関連した便通異常(排便頻度や便性状の変化など)を特徴とする機能性消化管障害である.
▪中枢神経系と腸管神経叢系が密接に関連する「脳腸相関」が病態形成に重要であるが,感染性腸炎を契機に発症する一群も存在する.
▪2016年にRome Ⅳ基準が提唱され,過敏性腸症候群の診断に有用である.またブリストル便形状スケールに基づいた便形状頻度により便秘型・下痢型・混合型・分類不能型の4型に分類される.
▪治療の基本は第1~3段階に大別されており,優勢症状に応じて食および生活習慣を改善したうえで,段階的な薬物療法を行っていく.
© Nankodo Co., Ltd., 2020