特集 消化管治療薬 外来での使いどころ
領域別消化管治療薬の使い方
《下部消化管領域》
過敏性腸症候群治療薬
千葉 俊美
1
Toshimi CHIBA
1
1岩手医科大学関連医学分野
キーワード:
過敏性腸症候群
,
治療薬
Keyword:
過敏性腸症候群
,
治療薬
pp.257-262
発行日 2018年2月1日
Published Date 2018/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika121_257
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Summary
▪Rome Ⅳ基準が診断に有用である.
▪治療目標は患者の自覚症状の改善であり,そのためには良好な患者-医師関係の構築が重要である.
▪治療は消化管主体の治療を行う第1段階,中枢機能の調節を含む第2段階,心理療法を行う第3段階に大別される.
▪第1段階においては,便秘型,下痢型,混合型,分類不能型の4つの病型,あるいは下痢,腹痛,便秘の優勢症状に基づいて,消化管主体の治療を行う.
▪第2段階は中期段階であり,消化管主体の治療が無効であったことを踏まえ,中枢神経機能の調整を含む治療を行う.
▪第3段階は最終段階であり,薬物療法が無効であったことを踏まえ,心理療法を行う.
▪自覚症状が改善すれば,治療継続あるいは終了とし,改善がなければ経過観察あるいは診断を再考する.
© Nankodo Co., Ltd., 2018