特集 感染症と消化器 ― 診断と治療:感染症専門医から消化器内科医へのアドバイス
2.消化器領域で重要な微生物感染症の特徴(9)消化器内科医がHIVを調べるべきタイミング
川村 繭子
1
,
川村 隆之
1
1埼玉医科大学総合医療センター感染症科・感染制御科
キーワード:
HIV感染症
,
B型肝炎
,
性感染症
,
AIDS指標疾患
Keyword:
HIV感染症
,
B型肝炎
,
性感染症
,
AIDS指標疾患
pp.326-332
発行日 2021年2月20日
Published Date 2021/2/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001707
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HIV感染症は全世界に存在し,本邦においても頻度は低いものの,すべての内科医が遭遇しうる疾患である.一口にHIV感染症といっても,実際にはさまざまな臨床像で患者が受診することが大きな特徴である.HIV感染症は,大きく分けて三つの状態がある.一つ目は急性HIV感染症であり,簡単にいうとHIVに感染したばかりの急性期の状態である.二つ目は,HIV感染症は成立しているが,日和見感染は発症していない状態であり,三つ目はいわゆる免疫力が低下し日和見感染を発症する,後天性免疫不全症候群(AIDS)と呼ばれる状態である.まず,HIV感染症にはこの三つの時期があるということを理解することが重要である.本稿では消化器内科の先生方が,どのような形でこの三つの時期のHIV感染症に遭遇するのかを述べる.
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