連載 手技の解説
次世代マイクロ波凝固装置EmprintTMを用いた経皮的肝癌局所療法の実際
玉井 秀幸
1
1和歌山労災病院肝臓内科
キーワード:
肝癌
,
経皮的局所療法
,
マイクロ波凝固療法
Keyword:
肝癌
,
経皮的局所療法
,
マイクロ波凝固療法
pp.219-222
発行日 2021年1月20日
Published Date 2021/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001679
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2004年4月,本邦でラジオ波焼灼療法(RFA)が保険収載されて以降,肝癌に対する経皮的局所療法は,現在RFAが主流になっている.2017年7月,マイクロ波凝固装置EmprintTM Ablation System (コヴィディエンジャパン社)を用いた次世代のマイクロ波凝固療法(MCT)が新たに保険収載された.これにより,新たに経皮的局所療法の選択肢が増えたといえる.MCTはRFAよりも以前に開発され,1994年,Sekiらが初めて報告している.MCTはRFAに比べ,より短時間で,より高温に組織を加熱することができる特性があるが,従来のMCTは焼灼範囲がRFAよりも小さく,脈管損傷のリスクが高かった.また,凝固形状が涙滴状であり,肝表面の病変に対する治療では,shaft heatingによる皮膚,腹壁,横隔膜の熱傷に注意しなければならなかった.しかしながら,新たに開発された次世代MCTは,従来のMCTと異なり,凝固形状を球状にコントロールできる技術が搭載され,かつ凝固範囲はRFAと同等以上に改善されており,直径で最大4.2 cmの球状凝固が可能である.
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