特集 慢性膵炎―ガイドライン改訂に向けて
2.早期慢性膵炎の概念と診断・治療
佐田 尚宏
1
,
佐久間 康成
1
,
笹沼 英紀
1
,
小泉 大
1
,
遠藤 和洋
1
,
鈴木 正徳
2
1自治医科大学外科学講座消化器一般移植外科学部門
2菅間記念病院
キーワード:
早期慢性膵炎
,
アルコール性膵症
,
慢性膵炎臨床診断基準
Keyword:
早期慢性膵炎
,
アルコール性膵症
,
慢性膵炎臨床診断基準
pp.1313-1318
発行日 2020年9月20日
Published Date 2020/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001346
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早期慢性膵炎の概念は,早期治療介入により病状進行の抑制が期待できる点で重要である.早期慢性膵炎の診断基準は「慢性膵炎臨床診断基準2009」で初めて定義された.その後,2011 年に行われた慢性膵炎全国調査,早期慢性膵炎の前方視的コホート・スタディなどの知見の集積を受け,2019 年に慢性膵炎臨床診断基準が改訂され,早期慢性膵炎の診断基準も改訂された.2019 年の早期慢性膵炎診断基準では,「急性膵炎の既往」が項目として追加されたこと,アルコール摂取量の基準が1 日60 g(純エタノール換算)に低減されたこと,などがおもな改訂点である.今後のさらなる知見の集積により,未だ不明な点が多い慢性膵炎の病態の理解が進むことを期待したい.
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