特集 消化器不定愁訴 スッキリ解決で患者満足度アップ!
総 論
総合病院・専門医に紹介するタイミング―機能性ディスペプシアと早期慢性膵炎の鑑別―
中村 拳
1,2
,
阿川 周平
1,2
,
二神 生爾
1,2
1日本医科大学武蔵小杉病院消化器内科
2日本医科大学消化器内科学
キーワード:
機能性ディスペプシア
,
早期慢性膵炎
,
十二指腸炎症
,
超音波内視鏡検査
,
膵酵素異常
Keyword:
機能性ディスペプシア
,
早期慢性膵炎
,
十二指腸炎症
,
超音波内視鏡検査
,
膵酵素異常
pp.1017-1020
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.34433/dt.0000001479
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Headline
・難治性機能性ディスペプシアには,早期慢性膵炎が隠れている可能性があり,鑑別の重要性が指摘されている.
・膵酵素測定と超音波内視鏡検査(EUS)は,早期慢性膵炎の診断に有用である.特にEUSは,微細な膵の炎症の描出に優れている.
・機能性ディスペプシア,早期慢性膵炎ともに十二指腸炎症との関連が示唆されており,十二指腸を介した共通の病態生理学的機序が示唆される.
・以下の場合,消化器専門医への紹介を検討する:
▶機能性ディスペプシアの診断に確信がもてない場合
▶機能性ディスペプシアの標準治療に抵抗性を示す場合
▶早期慢性膵炎を示唆する所見(持続的飲酒歴,膵炎の既往,膵酵素異常など)を認める場合
▶EUSなど,専門的な検査が必要な場合

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