特集 B 型肝炎Trends & Topics
巻頭言 既存抗ウイルス療法の限界
田中 榮司
1
1信州大学医学部地域医療推進学教室
pp.125-126
発行日 2020年1月20日
Published Date 2020/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001042
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ウイルス感染症はワクチンの開発がその撲滅に大きな役割を果たす.世界保健機関はB型肝炎ウイルス(HBV)感染症の撲滅を目指し,1991年にHBワクチンのユニバーサルワクチネーションを世界に勧告した.この勧告により,2014年までに184の国で導入され,感染者減少の成果が得られている.日本では1985年からB型肝炎母子感染防止事業が開始され,1995年には母子間感染によるキャリア化率は0.024%まで低下した.一方,日本でのユニバーサルワクチネーションの導入は遅く,2016年にHBワクチンが定期接種化されたところであり,この効果の検証は次の課題である.
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