特集 大腸ポリープ取り扱いのUp to Date
2 .6 mm~10 mm のポリープ(3)Cold snare polypectomy とhot snare polypectomy の安全性と組織学的根治度
篠﨑 聡
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1篠﨑内科クリニック
キーワード:
コールドスネアポリペクトミー
,
組織学的根治度
,
断端陰性
,
安全性
Keyword:
コールドスネアポリペクトミー
,
組織学的根治度
,
断端陰性
,
安全性
pp.1120-1126
発行日 2019年7月20日
Published Date 2019/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000879
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電気焼灼を用いてスネアで大腸ポリープを切除するいわゆるhot snarepolypectomy( HSP)に代わって,近年本邦でも,安全性の高さと簡便性からcold snare polypectomy (CSP)が10 mm 以下の大腸ポリープの内視鏡的切除に広く用いられるようになってきた.HSP と異なりCSP では電気焼灼を伴わないため遅発性の潰瘍拡大・血管損傷がほとんどなく,正常の止血機序が働くために後出血が少ない傾向にある.CSP で切除後の病理検体の側方断端については周囲の正常粘膜を広く引き込むことで側方断端陰性の確率を高めることができる.一方で,CSP によって切除された検体で粘膜筋板以深を病理的に評価することは原則難しいと考えるのが現時点では妥当である.よって,6~10 mm の大腸ポリープに対しては,画像強調による拡大観察を行ったうえで,内視鏡医が自信をもって良性病変であると考えたときにのみCSP が施行されるべきである.
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