炎症性腸疾患診療のupdate
Ⅵ 炎症性腸疾患の外科治療 ④クローン病の術後再発と予防法
荒木 俊光
1
,
大北 喜基
1
,
近藤 哲
1
,
廣 純一郎
1
,
問山 裕二
1
,
楠 正人
1
1三重大学大学院医学系研究科生命医科学専攻病態修復医学講座消化管・小児外科学
キーワード:
クローン病
,
術後再発
,
機能的端々吻合
,
抗TNF—α抗体
,
ウステキヌマブ
Keyword:
クローン病
,
術後再発
,
機能的端々吻合
,
抗TNF—α抗体
,
ウステキヌマブ
pp.918-925
発行日 2019年5月25日
Published Date 2019/5/25
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000827
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
クローン病(CD)は慢性の生涯にわたって再発・再燃を繰り返す腸管炎症性疾患で,内科的治療が基本であるが,長い経過の間に複数回の腸管切除術や肛門周囲の手術が必要となることはまれではない.一方,腸管病変に対して手術はもっとも強力な寛解導入療法の一つであり,手術後の再発が抑制可能となれば患者の予後の向上につながる.切除範囲や吻合方法などによっても再発の確率を低下させることが可能であり,手術術式の決定は重要である.さらに,近年の内科的治療の進歩に伴い,再発リスクに応じた術後寛解維持療法が提唱されている.しかしながら,再発を完全に制御できない症例も存在し,早期に再発の診断を行い,適切な治療への変更,あるいは再手術を実施し,機能的障害が残らないように心がけることが重要である.
Copyright © 2019, Nihon Medical Centers, Inc. All rights reserved.