炎症性腸疾患診療のupdate
序文
鈴木 康夫
1
1東邦大学医療センター佐倉病院IBD センター
pp.699-700
発行日 2019年5月25日
Published Date 2019/5/25
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000782
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本号の「Ⅰ 炎症性腸疾患の疫学―本邦におけるIBD の患者動向」をご執筆いただいた,東邦大学医学部社会医学講座衛生学分野教授 西脇先生のグループが,“難治性炎症性腸管障害調査に関する研究班”において3 年前に難病疫学研究班との共同研究で明らかにした本邦の炎症性腸疾患(inflammatory boweldisease;IBD)患者数は,予想を大きく超える急激な増大を示す結果であった.日本は世界でも有数のIBD 患者を抱える国として,間近に“IBD 患者30 万人(潰瘍性大腸炎患者約21 万人,クローン病患者約7 万人)”の時代を迎えようとしており,IBD 患者数の増大傾向はおそらく今後も当分は持続すると予測される.IBD は以前考えられていたような希少疾患ではもはやなく,消化器医にとっては日常診療で遭遇し対処しなければならない疾患群の一つになったといえる.
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