特集 肥満と消化器
4 .肥満の治療(1) 食事・運動療法―メタボリック症候群の治療を目的とした肥満解消の食事療法・運動療法
山崎 聡
1,2
,
尾形 絵美
1,2
,
益崎 裕章
1
1琉球大学大学院医学研究科内分泌代謝・血液・膠原病内科学講座(第二内科)
2福島県立医科大学糖尿病内分泌代謝内科学講座
キーワード:
減量
,
肥満の質
,
動物性脂肪
,
脳内報酬系
,
内分泌臓器としての骨格筋
Keyword:
減量
,
肥満の質
,
動物性脂肪
,
脳内報酬系
,
内分泌臓器としての骨格筋
pp.431-436
発行日 2019年3月20日
Published Date 2019/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000715
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
食事・運動療法は減量に有効であり,減量依存性に代謝が改善することから,肥満症治療の基本である.食事療法では,エネルギー制限食で,肥満症では現在体重から3%,高度肥満症では5~10%の体重減少を目標とする.食事の内容では,動物性脂肪の依存性が報告され,食事と脳内報酬系の制御メカニズムの解明が今後の食事療法のブレークスルーとなりうる.並んで,運動療法は,減量に有効であるだけでなく,肥満の質を改善する可能性をもつ.一般に加齢に伴い骨格筋は減少し,死亡率を増加させるため,サルコペニアの予防は重要な課題である.興味深いことに,骨格筋の内分泌的作用が解明され,体内で最大の内分泌臓器になりうる.さらには,運動が脳に作用する機序が解明されたことから,脳に効かせる運動療法が期待されている.
Copyright © 2019, Nihon Medical Centers, Inc. All rights reserved.