特集 高血圧診療Update―「高血圧治療ガイドライン2019」で何が変わるのか?
他疾患を合併する高血圧
肥満症・メタボリックシンドローム
山崎 聡
1,2
,
尾形 絵美
1,2
,
岡本 士毅
1
,
島袋 充生
2
,
益崎 裕章
1
1琉球大学大学院医学研究科内分泌代謝・血液・膠原病内科学講座(第二内科)
2福島県立医科大学糖尿病内分泌代謝内科学講座
キーワード:
ミネラルコルチコイド受容体(MR)シグナル
,
動物性脂肪の過剰摂取
,
体液貯留と血管拡張機能の障害
,
第三世代選択的MR拮抗薬(esaxerenone)
Keyword:
ミネラルコルチコイド受容体(MR)シグナル
,
動物性脂肪の過剰摂取
,
体液貯留と血管拡張機能の障害
,
第三世代選択的MR拮抗薬(esaxerenone)
pp.227-230
発行日 2020年2月1日
Published Date 2020/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika125_227
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Summary
▪肥満者では血清アルドステロン値の上昇や食塩感受性の亢進が観察されることが多く,高血圧症の発症・増悪に関わる主要な機序としてミネラルコルチコイド受容体(MR)シグナルの亢進があげられる.
▪肥満症・メタボリックシンドロームに伴う高血圧症では,MRシグナルの亢進,脂肪組織由来因子の作用異常,インスリン抵抗性,睡眠時無呼吸症候群,概日リズム障害といった多彩な病態が複合的に影響し合い,治療抵抗性の高血圧症を招来する.
▪2019年,高血圧症を適応とする第三世代の選択的MR拮抗薬であるesaxerenoneが登場した.治療抵抗性の高血圧症に対してMRシグナルを直接的に制御し,糖尿病の合併例にも使用できる新たな選択肢として,エビデンスの集積が期待される.
© Nankodo Co., Ltd., 2020