特集 肥満と消化器
1 .肥満の基礎(2)肥満の発症機序
浅原 哲子
1
1独立行政法人国立病院機構京都医療センター臨床研究センター内分泌代謝高血圧研究部
キーワード:
摂食調節
,
消費エネルギー
,
遺伝素因
Keyword:
摂食調節
,
消費エネルギー
,
遺伝素因
pp.357-364
発行日 2019年3月20日
Published Date 2019/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000704
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肥満は摂食量とエネルギー消費のバランスにより規定され,摂取エネルギーが消費エネルギーを上回ることにより起きる.脂肪細胞から分泌されるアディポサイトカインの一つであるレプチンは視床下部に作用し,摂食抑制作用と交感神経活動亢進作用を発揮し,体重を制御している.しかし,肥満者ではレプチン抵抗性が生じている.また,内臓脂肪型肥満ではアディポサイトカインの分泌異常により肥満の合併症が起こりやすい.飽食の現代では,さまざまな倹約遺伝子の変異により,肥満・糖尿病を生じやすくなると考えられる.近年,大規模なGWAS 研究と機能解析などにより,肥満の遺伝素因,日本人特有の遺伝素因も同定されていくと考えられ,将来的にオーダーメイド医療が期待される.
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