特集 肥満と消化器
1 .肥満の基礎(1)肥満と肥満症:定義,疫学,診断と問題点
高木 章乃夫
1
,
山本 和秀
2
1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科消化器・肝臓内科学
2岡山済生会総合病院
キーワード:
肥満
,
肥満症
,
生活習慣
Keyword:
肥満
,
肥満症
,
生活習慣
pp.351-356
発行日 2019年3月20日
Published Date 2019/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000703
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肥満と肥満症は日本肥満学会により明確に区別されており,「肥満」とは「脂肪組織の過剰な蓄積状態で,BMI 25 以上のもの」を指す.一方「肥満症」とは「肥満に起因ないし関連する健康障害を合併するか,臨床的にその合併が予測される場合で,医学的に減量を必要とする病態(疾患単位)」と定義されている.欧米のガイドラインでは「肥満症」に準ずる定義はなく,BMI 25~29.9の「過体重」とBMI 30 以上の「肥満」に分けて併存疾患あるいはリスクに対する対応を行うこと,とされている.本邦では「肥満症」という疾患概念を作ることで,併存する肥満関連疾患すべてに対する共通の基礎疾患として対策していくことを明文化している.
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