目指せ!肥満症のトータルケア-減量に苦戦する患者について考える 肥満症の疫学
日本における肥満症の現状と対策
河本 絵里子
1
,
益崎 裕章
1琉球大学 大学院医学研究科内分泌代謝・血液・膠原病内科学講座(第二内科)
キーワード:
糖尿病-2型
,
肥満
,
世界保健機関
,
BMI
,
メタボリックシンドローム
,
肥満症
,
腹腔内脂肪
,
保健指導
Keyword:
Diabetes Mellitus, Type 2
,
Obesity, Morbid
,
Obesity
,
World Health Organization
,
Body Mass Index
,
Metabolic Syndrome X
,
Intra-Abdominal Fat
pp.11-14
発行日 2016年1月1日
Published Date 2016/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016089654
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食生活や自家用車の普及などの生活習慣の変化によって,今や肥満症は世界の流行病として位置づけられている.現状では,全世界の10億人は過体重,3億人は肥満といわれている.わが国においては,中年男性と高齢者の肥満の増加が懸念されている.肥満は糖尿病や高血圧,脂質異常症などの生活習慣病を引き起こすため,超高齢化社会を迎えるわが国において,肥満率の改善は公衆衛生上の大きな課題である.日本人の肥満・肥満症は欧米と比べ特徴が異なり,肥満の評価はBMIだけではなく,内臓脂肪などのほかの代謝マーカーなどを総合的に評価する必要がある.国をあげた対策として,2008年から特定健康診査・特定保健指導が開始された.国民を肥満による健康障害から守り,健康長寿を目指す取り組みが行われている.
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