特集 CT colonography 2019―今日までの進歩と現状,そして大腸がん検診への展開
巻頭言
永田 浩一
1,2
1国立がん研究センター中央病院検診センター/社会と健康研究センター検診研究部
2自治医科大学放射線科
pp.237-238
発行日 2019年2月20日
Published Date 2019/2/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000672
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大腸CT検査が発表されたのは1994 年である.それから,すでに20年以上が経過した.この間に大腸精密検査の主流は,注腸X 線検査やS 状結腸鏡検査から全大腸内視鏡検査に移行した.その背景には,内視鏡検査による大腸腫瘍性病変の診断精度と治療技術が飛躍的に進歩したことがある.一方,がんの部位別年齢調整罹患率の年次推移を見ると,1990 年代に第1位であった胃癌は近年までに急激に減少しているのに対して,大腸癌は右肩上がりに増加し2015年のがん統計予測では胃癌を抜き第1位となった.大腸腫瘍性病変の診断・治療技術が進歩しているのに,なぜ大腸癌罹患数・死亡数は増えているのだろうか? Helicobacter pylori菌の感染率の低下に伴う胃癌の減少,あるいは高齢化の進行など要因はさまざまである.しかし,年齢調整においても,大腸癌の罹患率や死亡率は高止まりしているのが現状である.
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