特集 血流障害と消化管疾患
2 .虚血性腸病変(5)上腸間膜動脈(SMA)塞栓症/血栓症
高橋 哲也
1
,
中山 祐介
1
,
武居 哲洋
1
1横浜市立みなと赤十字病院救命救急センター
キーワード:
上腸間膜動脈閉塞症
,
腸管虚血
,
側副血行路
,
画像下治療
,
腸管切除術
Keyword:
上腸間膜動脈閉塞症
,
腸管虚血
,
側副血行路
,
画像下治療
,
腸管切除術
pp.47-52
発行日 2018年12月20日
Published Date 2018/12/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000618
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SMA塞栓症/血栓症(閉塞症)は,早期診断が困難であるが発症から時間が経過すると腸管壊死に陥るため,急性腹症のなかでも重要な病態である.SMA閉塞症に対するIVRの適応は腸管虚血の場合で,壊死に陥っている場合は腸管切除術が必要となる.その治療方針を決定する腸管のviabilityの評価は困難であるものの,明らかな壊死所見がなければIVRの適応はある.SMA閉塞症に対するIVR単独治療成功の可否は,発症からの時間経過はいうまでもないが,側副血行路の発達の程度にも大きく影響される.側副血行路の発達が乏しく分枝の描出が不良であった場合,IVR施行により上腸間膜動脈本幹や分枝の血流が再開しても腸管壊死に陥っている可能性があり注意を払う必要がある.
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