特集 消化器病漢方治療―理論と実践
1 .「証」と「症状」と「診断」いずれを優先するか?
佐藤 弘
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1新潟医療福祉大学医療系管理学部医療情報管理学科
キーワード:
証
,
症状
,
診断
,
薬方
Keyword:
証
,
症状
,
診断
,
薬方
pp.1329-1334
発行日 2018年9月20日
Published Date 2018/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000523
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本稿では,「証」「症状」「診断」の相互の関係およびそれぞれに基づいた治療法の特長・問題点を論じた.治療の順序として,最初に近代医学的「診断」に基づいた使用法を行ってみる.次に,中心症状に着目し,それに対し頻用される薬方をいくつか使い分ける.この際には,それぞれの使用目標となる2,3の症候と不適応となる条件を覚えておく.上記のアプローチが奏効しない場合には,「証」に随って漢方薬の選択を行う.このアプローチの特長は,診断がつかない例などにも対応できる点にある.漢方薬を用いた治療の特長は,目標とした症状以外にも思わぬ効果が得られることがあり,漢方薬の活用を是非お勧めしたい.
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