消化管疾患に対する漢方医学からのアプローチ-現状と展望
消化器疾患診断における「証」を巡って
佐藤 弘
1
1東京女子医科大学附属東洋医学研究所
キーワード:
胃腸疾患
,
消化器疾患
,
陰陽
,
生薬
,
漢方医学
,
人参湯
,
六君子湯
,
証
,
気血水
,
虚実(東洋医学)
,
水毒
,
腹診
Keyword:
Gastrointestinal Diseases
,
Digestive System Diseases
,
Yin-Yang
,
Medicine, Kampo
pp.161-167
発行日 2013年1月20日
Published Date 2013/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2013120323
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漢方医学における「証」の特徴と消化管疾患への応用について論じた.「証」は薬物の反応性を考慮したアプローチで,時間的経過により変化しうるもの,治療と診断が表裏一体をなすものである.最近,近代医学でも「病名」対応だけでなく,より効率的な効果発現あるいは副作用発症高危険群の事前予測が行われるようになった.このことは,近代医学が「証」の概念を採用しつつあることを意味する.また消化器症状のみならず他の身体症状あるいは精神神経症状をも考慮している「証」の考え方は,とくに心理的要因の関与する割合が高い機能性消化管障害の治療に,今後取り入れてよい治療アプローチであると思われる.
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