特集 消化器病漢方治療―理論と実践
2 .総論:消化器疾患―どのように処方するか (1)東洋医学の消化器疾患治療法
中村 東一郎
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1中村医院
キーワード:
四診
,
腹診
,
胸脇苦満
,
腹直筋攣急
,
胃内停水
Keyword:
四診
,
腹診
,
胸脇苦満
,
腹直筋攣急
,
胃内停水
pp.1335-1339
発行日 2018年9月20日
Published Date 2018/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000524
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消化器疾患を漢方医学的に治療する場合,自覚症状・他覚症状はいずれも重要だが,とくに腹部の触診は欠かすことができない.腹診は江戸時代に日本で独自に発達したもので,処方選択に直接結びつくことも少なくない.胸脇苦満があれば柴胡剤を,腹直筋の攣急があれば芍薬の含まれる処方がまず候補として考えられる.腹部に大動脈の拍動が頻脈として触れる場合は精神症状を伴うことが多いが,漢方医学では心身一如の考え方から,心身の多彩な症状を総合的に治療できる利点がある.腹部の診察に当たっては西洋医学的,漢方医学的両者の診察を行うことが望まれる.
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