特集 十二指腸上皮性非乳頭部腫瘍の診療を巡って―現状と課題
巻頭言
藤城 光弘
1
1東京大学医学部附属病院光学医療診療部
pp.1207-1209
発行日 2018年8月20日
Published Date 2018/8/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000492
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本誌2014 年11 月号で,「十二指腸腫瘍性病変に対する診療の進歩」と題して筆者が編集を担当させていただいたが,約4 年の時を経て,一瀬雅夫先生の手により,新たな十二指腸腫瘍の特集が企画された.今回は,上皮性非乳頭部腫瘍,とくに,内視鏡治療の適応となりうる「早期の」腫瘍性病変を対象とした内容である.1970 年代に多賀須らが,胃透視なしに細径前方視鏡により食道,胃,十二指腸を同時に検査すること(パンエンドスコピー)を提唱して以来,今では当たり前のように,上部消化管内視鏡検査として十二指腸下行部までの観察が行われている.何気なく挿入した下行部で「早期の」上皮性非乳頭部腫瘍に“出くわす”ことがある.食道,胃のように,高危険群や背景粘膜などの解明が進んでおらず,疾患頻度の低い十二指腸では,まさに“出くわす”という表現がぴったりである.
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