特集 胃癌診療2019―現状と課題
巻頭言
藤城 光弘
1
1名古屋大学大学院医学系研究科消化器内科学
pp.1313-1314
発行日 2019年9月20日
Published Date 2019/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000932
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国立がん研究センターが発表する2018 年がん統計予測によると,胃癌は,罹患数で第2 位(128,700 人),死亡数で第3 位(45,900 人)を占めており,依然,本邦におけるがん対策において,最重要がん種の一つである.しかし,若年者,壮年者におけるHelicobacter pylori 感染率の急激な低下に伴い,すでに胃癌罹患数,死亡数は減少に転じている.65 歳以上の高齢者,85 歳以上の超高齢者の罹患者割合(2014 年)が,それぞれ79%,13%,死亡者割合(2017 年)に至っては,それぞれ88%,29%であることが示すように,胃癌対策においては,高齢者胃癌にいかに対峙し,生活の質をも意識した,さらなる死亡数減少を目指していくかが大きな課題と考えられる.
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