特集 膵神経内分泌腫瘍update
4 .膵神経内分泌腫瘍と遺伝性疾患
松尾 真理
1
1東京女子医科大学附属遺伝子医療センター
キーワード:
多発性内分泌腫瘍症1型(MEN1)
,
フォン・ヒッペル・リンドウ病(VHL)
,
神経線維腫症1型(NF1)
,
結節性硬化症(TSC)
,
遺伝カウンセリング
Keyword:
多発性内分泌腫瘍症1型(MEN1)
,
フォン・ヒッペル・リンドウ病(VHL)
,
神経線維腫症1型(NF1)
,
結節性硬化症(TSC)
,
遺伝カウンセリング
pp.1111-1115
発行日 2018年7月20日
Published Date 2018/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000466
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神経内分泌腫瘍(neuroendocrine neoplasm;NEN)は,神経内分泌細胞を起源とする腫瘍であり,膵・消化管・肺をはじめ多様な臓器に発生する.膵に発生したNENの原因は未だ不明であるが,約10%は遺伝性疾患の部分症状として発症することが知られている.そのような遺伝性疾患としては,多発性内分泌腫瘍症1型(multiple endocrine neoplasia type 1;MEN1),von Hippel Lindau病(VHL),神経線維腫症1型(neurofibromatosis 1;NF1),結節性硬化症(tuberous sclerosis;TSC)などが知られている.膵NENの診療において,遺伝性疾患合併の有無は治療方針の選択のうえでも必要不可欠な情報となり,また発端者の診断が確定し遺伝子変異が判明することにより,遺伝子変異保持リスクがある家族の早期診断や発症前診断が可能となる.本稿では,膵NENを合併する遺伝性疾患について述べる.
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