特集 膵神経内分泌腫瘍update
1 .膵神経内分泌腫瘍の疫学
伊藤 鉄英
1,2
,
藤山 隆
1
,
宮原 稔彦
1
,
肱岡 真之
1,3
,
藤森 尚
4
,
米倉 由規
5
,
恒吉 正澄
1,5
1福岡山王病院肝胆膵内科・神経内分泌腫瘍センター
2国際医療福祉大学大学院医学研究科
3国立病院機構九州医療センター消化器内科
4福岡山王病院看護部
5福岡山王病院病理検査部
キーワード:
神経内分泌腫瘍
,
膵内分泌腫瘍
,
全国疫学調査
Keyword:
神経内分泌腫瘍
,
膵内分泌腫瘍
,
全国疫学調査
pp.1087-1091
発行日 2018年7月20日
Published Date 2018/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000463
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わが国では2005 年および2010 年に受療した膵神経内分泌腫瘍の全国疫学調査が施行され,2010 年の受療者は約3,379 人と推定されている.年間有病率は人口10 万人当り2.69 人と推定され,2005 年に比べ約1.2 倍に増加していた.機能性膵神経内分泌腫瘍は年間受療者数1,105 人で,非機能性膵神経内分泌腫瘍は2,274 人であった.2005 年では非機能性の割合が約45%だったのに対し,2010 年では非機能性腫瘍の割合が約65%に増加していた.診断技術の向上,とくに超音波内視鏡下吸引生検(EUS‒FNA)により正確な組織診断がなされるようになったためと考察される.機能性ではインスリノーマがもっとも多く20.9%,次にガストリノーマの8.2%であった.また,多発性内分泌腫瘍症1 型(MEN‒1)の合併は膵神経内分泌腫瘍全体で4.3%であった.
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