特集 NASH2018
7 .NASH の遺伝的素因
岡上 武
1
1大阪府済生会吹田病院
キーワード:
非アルコール性脂肪肝炎
,
網羅的遺伝子関連解析
,
アディポニュートリン
,
ディスフェルリン
Keyword:
非アルコール性脂肪肝炎
,
網羅的遺伝子関連解析
,
アディポニュートリン
,
ディスフェルリン
pp.53-60
発行日 2017年12月20日
Published Date 2017/12/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000199
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
NAFLD の多くは生活習慣病を背景に発症するが,非肥満者や生活習慣病を合併しない例もある.また,最近の研究では,予後良好といわれるNAFL のなかに予後不良例が,予後不良といわれているNASH のなかに予後良好例がかなり多く存在し,NAFL,NASH の発症・進展に遺伝的素因の関与が想定される.NASH 肝癌を含む902 例の肝生検で診断したNAFLD と7,672例のコントロールを対象に網羅的遺伝子関連解析(GWAS)を行い,NAFLD の発症・進展の感受性遺伝子としてPNPLA3,GATAD2A,GCKR を,NASH 肝発癌の感受性遺伝子としてPNPLA3,DYSF を同定した.これら遺伝子のSNP のvariant を組み合わせるとNAFLD の発症,NASH への進展,NASH からの発癌の危険性を予測することが可能となった.
Copyright © 2017, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.