Japanese
English
特集 感染症と腎疾患
糸球体・尿細管間質疾患
HIV関連腎障害
Kidney diseases among patients living with HIV
村島 美穂
1
MURASHIMA Miho
1
1近畿大学医学部腎臓内科
キーワード:
human immunodeficiency virus
,
anti-retroviral therapy
,
テノホビル
Keyword:
human immunodeficiency virus
,
anti-retroviral therapy
,
テノホビル
pp.750-755
発行日 2024年6月25日
Published Date 2024/6/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001354
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はじめに
ヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus:HIV)感染患者に発症する腎障害にはさまざまなものがある。以前はCD4数の低下やHIV-associated nephropathy(HIVAN)など,HIV感染による症状が出てきた時点でanti-retroviral therapy(ART)による治療適応とされていたが,2021年の世界保健機関(World Health Organization:WHO)のガイドライン1)によると,HIV感染が診断された時点でARTの適応とされるように変わってきた。結果として,HIV感染に伴う腎障害の疫学も大きく変わってきた。HIVANが減少し,HIV-associated immune complex kidney disease(HIVICK),ARTによる薬剤性腎障害,特にテノホビルによる間質尿細管障害,糖尿病性腎症や腎硬化症の合併が増加してきている(表1)2)。HIVANとHIVICKについては『腎と透析』2023年95巻増刊号で記載したため,今回は,簡単な記述にとどめ,ARTによる腎障害とHIV患者における移植を中心に記載したい。
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