特集 胆膵EUS の進歩
2.EUS による観察(1)膵臓の観察
木田 光広
1
,
松本 高明
1
,
上原 一帆
1
,
川口 祐輔
1
,
長谷川 力也
1
,
宮田 英治
1
,
金子 亨
1
,
山内 浩史
1
,
奥脇 興介
1
,
宮澤 志朗
1
,
岩井 知久
1
,
菊地 秀彦
1
,
今泉 弘
1
,
小泉 和三郎
1
1北里大学医学部消化器内科
キーワード:
膵のEUS 診断
,
膵癌
,
膵管内乳頭粘液性腫瘍
,
膵神経内分泌腫瘍
,
粘液性膵囊胞腫瘍
,
漿液性膵囊胞腫瘍
Keyword:
膵のEUS 診断
,
膵癌
,
膵管内乳頭粘液性腫瘍
,
膵神経内分泌腫瘍
,
粘液性膵囊胞腫瘍
,
漿液性膵囊胞腫瘍
pp.1081-1090
発行日 2017年6月20日
Published Date 2017/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000054
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超音波内視鏡(EUS)の膵疾患に対する役割は,① 膵腫瘍の診断,とくに早期(小さな時期の)診断,② 膵腫瘍の局所進展度診断,③ 膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)の壁在結節の診断,④ 粘液性膵囊胞腫瘍(MCN)では,結節,隔壁の診断に加えて,内容液の粘稠度により点状高エコーが認められることがある.⑤ 漿液性膵囊胞腫瘍(SCN)では,病変が囊胞の集合体であることが診断できる.とくに,膵癌においては,その5 年生存率が約7%と低く,死亡率が罹患率に近く,がん死亡の第4 位にまで上昇してきている.膵癌の根治のためには,いわゆる“早期膵癌”の診断が臨床的急務であり,EUS がこの領域で威力を発揮するものと考えられる.またIPMN においては,その経過観察において結節の診断,併存膵癌の診断に有用である.膵神経内分泌腫瘍のうち,insulinoma,gastrinoma などは小さな腫瘍であることが多く,EUS が有用である.また,造影エコーにより,膵癌との鑑別においても臨床的価値があると考えられる.
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