特集 最新動向透析患者の呼吸器感染症
4.インフルエンザ・新型コロナウイルス感染症
吉藤 歩
1,2
,
菊地 勘
3
1慶應義塾大学医学部感染症学
2慶應義塾大学病院腎臓内分泌代謝内科
3下落合クリニック
キーワード:
易感染性
,
重篤化
,
早期診断
,
抗ウイルス薬の早期治療
,
感染対策
Keyword:
易感染性
,
重篤化
,
早期診断
,
抗ウイルス薬の早期治療
,
感染対策
pp.1183-1188
発行日 2025年9月10日
Published Date 2025/9/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000003566
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透析患者はさまざまな基礎疾患を合併していること,免疫機能が低下していることからインフルエンザや新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患すると重篤化しやすく,死亡率も高い.よって,早期診断と抗ウイルス薬の迅速な投与が重要である.薬剤によっては,腎機能に応じた調整が必要となるので注意が必要である.呼吸状態や全身状態のモニタリングを行い,重篤化の徴候を見逃さず,必要に応じて入院や専門医紹介を判断する.透析施設ではクラスター防止のため,時間的・空間的隔離を含む多層的な感染対策が求められる.今後の新型インフルエンザや新たなSARS-CoV-2の変異株の流行に備え,地域全体での事業継続計画策定や,スタッフ・患者への感染対策教育の強化が重要である.

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