特集 学びなおし腹膜透析
[コラム]腹膜透析患者に対する大腸内視鏡検査
伊藤 雄伍
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1聖路加国際病院腎臓内科
キーワード:
bacterial translocation
,
大腸内視鏡関連腹膜炎
,
抗菌薬
,
予防内服
Keyword:
bacterial translocation
,
大腸内視鏡関連腹膜炎
,
抗菌薬
,
予防内服
pp.670-671
発行日 2024年6月10日
Published Date 2024/6/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000003020
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末期腎不全患者では,結腸直腸癌の発生率が一般人口と比較して高い.便潜血検査が陽性になった腹膜透析(PD)患者には,大腸内視鏡検査が推奨される.しかし,PD患者における大腸内視鏡検査は,予防的な抗菌薬の使用なしに施行された場合,約6%の患者で大腸内視鏡関連腹膜炎(colonoscopy-associated peritonitis)を発症することが報告されている.大腸内視鏡関連腹膜炎は,E.coliを含む腸内細菌による腸管粘膜を介したbacterial translocationが原因であり,検査後1週間以内に発症することが多い.とくにポリープ切除,粘膜切除などの侵襲的な処置後は腹膜炎発症のリスクが高まる.
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