Japanese
English
特集 運動の効果とその理論
運動の骨代謝への影響
The Effects of Physical Exercise on Bone Metabolism.
酒井 昭典
1
,
中村 利孝
1
Akinori Sakai
1
,
Toshitaka Nakamura
1
1産業医科大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, University of Occupational and Environmental Health
キーワード:
運動
,
荷重
,
骨代謝
,
骨量
,
骨粗鬆症
Keyword:
運動
,
荷重
,
骨代謝
,
骨量
,
骨粗鬆症
pp.111-115
発行日 1999年2月10日
Published Date 1999/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108896
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はじめに
身体の運動による力学的負荷は,正常な骨量維持機構に必須である.しかし,力学的負荷と骨のリモデリングの調節系との関連については,ようやくその解明が端緒についたばかりである.
身体活動の低下による力学的負荷の消失ないし軽減は,急激な骨量減少を生じさせる.逆に,運動や肉体労働で身体活動を活発に行っている人では骨量が増加し,骨折しにくいことは経験的に知られている.骨折等で片側下肢を免荷した場合,過剰な負荷のかかり続ける健側では骨密度が増加することも知られている.
骨は,力学的負荷に応じて必要な部位での骨量と骨強度が維持されるように再構築される.健常な成人において,最も重要な骨形成シグナルは力学的負荷である.力学的負荷が骨量と骨強度を増加する作用についての詳細なメカニズムと骨量増加に至適な運動プログラムの設定に関しては未だ明確ではない.
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