特集 血液透析導入の処方
9.インクリメンタルPD/HD
多和田 光洋
1
,
伊藤 恭彦
2
1 今池腎クリニック
2愛知医科大学腎臓・リウマチ膠原病内科
キーワード:
インクリメンタルPD
,
インクリメンタルHD
,
残腎機能
Keyword:
インクリメンタルPD
,
インクリメンタルHD
,
残腎機能
pp.193-199
発行日 2023年2月10日
Published Date 2023/2/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002461
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腹膜透析(PD),血液透析(HD)において透析導入初期に標準的な透析量より少ない透析量で開始し残腎機能の低下とともに透析量を増やしていく透析をインクリメンタルPD・HDという.透析導入初期は残腎機能が保たれているため,少ない透析量においても残腎機能と合わせると十分な透析量を確保することができる.透析時間または透析回数が少ないことにより導入期の心理的負担軽減,QOLの改善,残腎機能の温存に役立つ.また死亡リスクの上昇はきたさないと報告されている.本治療のためには残腎機能の評価を適切に行い,透析不足に至らないように残腎機能低下時は速やかに透析量を増加するように注意が必要である.
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