Japanese
English
特集 在宅医療を成功させる
在宅医療のスキル
持続腹膜透析法(CAPD)
Continuous Ambulatory Peritoneal Dialysis
宍戸 寛治
1
1石心会川崎クリニック内科
pp.599-601
発行日 1995年7月15日
Published Date 1995/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414901555
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
■夫が寝たきり状態となり,血液透析からCAPDに変更した症例
患者 73歳,女性,主婦.
76歳の夫と2人暮らし,子供はいない.1985年ごろより近医で蛋白尿,高血圧を指摘されていた.1988年5月ごろより食思不振,呼吸困難が出現したため当院に入院,6月より血液透析を開始した.開始当初より透析困難症(透析中の血圧低下,嘔吐など)があり,また内シャントの発育不良による穿刺困難もあり,数回内シャントの再建を要した.1989年12月,夫が脳梗塞を発症し,以後寝たきり状態となった.そのころより夫の看病と透析中の苦痛を理由に来院しない日がしばしばあり,スタッフが患者宅に迎えに行くことも何度かあった.患者と相談しCAPDへの変更を決定,血液透析を施行しながら外来でCAPDの指導を開始した.高齢でもあり,指導はなかなか進まなかったが,約4週間経過後ようやくバッグ交換手技が安定したため,1990年3月CAPDカテーテル留置のため入院.患者入院中は介護者不在となるため,夫も当院に入院させた.カテーテル留置後は特にトラブルもなく,シャワー浴まで指導し,外泊,家庭訪問を経て約3週間で退院となった.退院直後に腹膜炎を発症したが,外来で抗菌薬のバッグ内注入を行い2週間で軽快した.その後は特にトラブルもなく順調に経過している.
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.