増刊号 診断基準とその使い方
IX.腎・尿路
38.CAPD腹膜炎
酒井 信治
1
1信楽園病院・内科
pp.2193
発行日 1988年9月30日
Published Date 1988/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222057
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■診断基準(表)
■疾患概念と疫学
古典的な腹膜炎は,早期に外部から発見し診断を下すことが困難であって,生命をも脅かす重篤な疾患である.これに対し,CAPD腹膜炎は腹腔との交通があり,1日に4回行うバック交換時に排液を観察することによって早期発見ができ,CAPD治療により腹腔洗浄がただちに行えるという特徴がある.したがって,ほとんどのCAPD腹膜炎は,適切な抗生剤治療を行うことにより短期間で治癒する.現在のCAPD療法は,腹腔とバック間の完全なクローズドシステムの確立とバック交換操作の改良により,CAPD腹膜炎の発生頻度は著しく減少してきている.
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