特集 腹膜透析の展開―生き残りをかけた在宅医療
2.現在の腹膜透析のスタイル―もはやCAPDは基本ではない(2)社会復帰を支える併用療法の現況と治療成績
井尾 浩章
1
1順天堂大学医学部附属練馬病院腎・高血圧内科
キーワード:
PD+HD併用療法
,
診療報酬
,
共有意思決定
Keyword:
PD+HD併用療法
,
診療報酬
,
共有意思決定
pp.941-945
発行日 2023年7月10日
Published Date 2023/7/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002646
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腹膜透析(PD)と血液透析(HD)の併用療法とは,PD療法施行中にHDを定期的に追加する治療方法で,わが国独自の治療スタイルである.PD歴別の併用状況を見ると,PD歴2年未満では3.4%に対し8年以上では53.1%となっており,PD歴の長期化に伴い併用療法の割合が高くなっている.治療効果としては,限外濾過不全・体液過剰状態において,HDの併用は除水を確実なものとし適切な体液状態の維持に有用となる.2020年の診療報酬改定では一人の患者が別々の医療機関でPDとHDを受けることが認められた.柔軟なライフスタイルを考慮するとPD+HD併用療法は素晴らしい選択肢になる可能性がある.
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