9．透析患者における身体機能の評価

透析患者は同年代の地域在住高齢者と比較すると身体機能が低下しており，低身体機能であることは生命予後悪化を規定する因子の一つである．しかしながら，身体機能は正しい介入によって修正が可能である．そのため，身体機能を評価し，その低下を早期の段階から発見し，身体機能の維持，改善に努めるような治療戦略を展開していくことが疾病管理上，非常に重要となってくる．本稿では，身体機能評価の代表的な指標である握力，等尺性膝伸展筋力，歩行速度，Short Physical Performance Batteryの四つを使用し，それぞれの評価方法や各指標の低下を示す基準を紹介する．