8．認知症透析患者に対する看護・介護のポイント

認知症透析患者は腎機能低下による症状や治療により，認知症の行動・心理症状（BPSD）を生じやすく，問題行動を起こすことがある．症状の緩和や適切な治療の継続にはセルフマネジメントが重要であるが，認知症患者では困難となりやすい．そして透析継続に関する意思決定はしばしば問題となる．認知症透析患者への支援としてバスキュラーアクセス管理などの治療に関するセルフマネジメントへの支援と，患者の真意を受けとめるために，コミュニケーションスキルを活用した意思決定支援が必要である．患者・家族と共に患者の保たれている機能を活かしたマネジメント方法を多職種が連携して実施し，患者を尊重して根気よく支援することが望まれる．