特集 開かれたCKD 看護の模索―意思決定を支援する
[実践報告]6.ターミナル期にある透析患者に対する意思決定支援の実際
阿部 利惠
1
1淑徳大学看護栄養学部
キーワード:
透析看護
,
終末期ケア
,
エンド・オブ・ライフケア
,
意思決定支援
,
アドバンス・ケア・プランニング
Keyword:
透析看護
,
終末期ケア
,
エンド・オブ・ライフケア
,
意思決定支援
,
アドバンス・ケア・プランニング
pp.1483-1490
発行日 2017年10月10日
Published Date 2017/10/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000214
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
本事例は,透析歴12 年の60 歳代の患者が末期の膵臓がんと診断され,終末期に向かうなかでの意思決定支援の報告である.患者は,年単位での生存が難しいと診断され,一時は透析の意味さえ見失うほどの絶望感に見舞われたが,看護師が患者の気持ちを受け止め支えることで徐々に自分の意思を語るようになっていった.看護師は,患者の言葉を大切にしながら対話を進め,そのプロセスのなかで事前指示書作成ができるように支援した.また,患者と家族との間で事前指示書に関する意見の対立が生じたが,医療者によるファシリテーションを通して患者の意思を尊重し,患者のQOL を考慮しながら患者と家族が合意を目指して対話を重ねるプロセスが大切であることを経験した.
Copyright © 2017, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.