特集 もっと知ろう透析室での腎移植問題―腎移植と透析の移行期
5.PEKT―移植時期決定と移植前後でのCKD合併症管理
後藤 憲彦
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1日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院移植内科
キーワード:
先行的腎移植
,
紹介時期
,
移植実施時期
,
腎外合併症
,
安定狭心症
Keyword:
先行的腎移植
,
紹介時期
,
移植実施時期
,
腎外合併症
,
安定狭心症
pp.1048-1055
発行日 2022年7月10日
Published Date 2022/7/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002237
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eGFR 5〜6 mL/min/1.73 m2で導入する血液透析や腹膜透析と違い,全身麻酔を必要とする先行的腎移植(PEKT)の移植時期はeGFR 10 mL/min/1.73 m2前後である.シャントを作製せずにPEKTをするためには,腎移植に対する相対的禁忌の有無を評価し,相対的禁忌があれば移植前に治療介入するための時間が必要である.そのための腎移植施設への理想的な紹介時期はCKD ステージG4である.透析にバックアップされていない状態での評価で問題となるのは,安定狭心症合併時の腎移植である.周術期や移植後長期に急性冠症候群(ACS)を起こさないためにも,必要に応じて造影剤を使用して術前評価をする.PEKTを希望する糖尿病性腎症からの高齢CKD患者の増加により,安定狭心症の術前評価と術後管理は今後ますます重要になってくる.
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